口や唇のその周りに小さな水ぶくれができる病気の「口唇ヘルペス」は、単純ヘルペスウイルスが原因となって起こります。このウイルスの特徴は、初感染といって初めて感染した後の免疫ができても、外傷や体力の低下などが重なれば再発を繰り返すということです。ヘルペスは世界的に広がったウイルスで、感染様式は口唇ヘルペスを発症した患者の唾液との密接な接触や、HSV による皮疹や、性器ヘルペスからの性的感染または母子感染によると考えられています。
人間を宿主とする「Human herpes viruses( HHV)」のヘルペスウイルスとしては8種類があげられ、それらをそれぞれHHV1~8とも呼ばれています。ヘルペスウイルス感染の多くが不顕性感染として、継続的に潜伏感染します。顕性感染となった場合でも多くの場合が軽症ですが、色々な誘因によって回帰発症することもあげられ、免疫不全患者などについては重大である日和見感染症をもたらすことがあります。病院感染対策の観点からヘルペスウイルスについて述べます。発症には季節的な変動はありませんが、男女比では少々男性の方が多く発症していることがあげられます。
特に、HSV‐1感染の好発年齢は2歳の感染が多く、6歳ぐらいまでに感染を受ける確率が高いようです。一方、HSV-2感染は「sexually transmitted diseases(STD)」の性質が有るため、15歳以下の子供における抗体保有率は1%以下であります。ヘルペスウイルスは、ヘルペスウイルス科に所属するDNA型ウイルスの総称でありエンベロープを有します。その種類は約100種類にも及び、α、β、γといった3つの亜科に分類されます。感染を受ける年齢としては20歳代~30歳代が多く、1989年Johnson氏によると、アメリカの若年成人の抗体保有率は20.2%であったと報告されています。
ところで、ヘルペスウイルスといっても、その種類によって引き起こる病気は異なります。下に、主なヘルペスの種類としては、「帯状疱疹」「単純ヘルペスウイルス1型 」「単純ヘルペスウイルス2型」「ヘルペス性歯肉口内炎」「口唇ヘルペス」「ヘルペス性角膜炎」「GH(性器ヘルペス)」「カポジ水痘様発疹症」「ヘルペス性脳炎など 」「ヘルペス性髄膜炎 」「臀部ヘルペス」「水痘」「帯状疱疹ウイルス」などです。