ほくろとは、「黒子」「mole」などとも呼ばれ、皮膚のある一つの箇所ににメラニン色素を含む細胞のメラノサイトが、周りよりも高い密度で集まってできた母斑の種類のひとつです。一層にメラノサイトが並んでいるものを、狭義の黒子と呼び、持ち上げられた表皮が盛り上がって見えるようなメラノサイトが重層したものを「色素性母斑(pigmented nevus)」または「母斑細胞性母斑(nevus cell nevus/nevocellular nevus)」と言います。
そして、母斑を作るメラノサイトを「母斑細胞(nevus cell/nevocyte)」と呼ぶのです。外から見る分の見た目には、一般的に黒く見えますが、奥深いところでのメラノサイトの増殖の場合は、青色母斑といって、青く見えることもあります。通常では過誤腫的なものと考えられているのですが、WHO分類では色素性母斑に限り良性な腫瘍としてみていて、ICD-Oコード付けが行われています。ほくろは日本語で古くには「母糞(ははくそ)」と言っていたそうです。
その文字の通り「母胎内でついた母親の糞」という意味で付けられたようですが、初期の鎌倉時代に色の名前の「黒(くろ)」とコンビレーションを起こして「母黒(ははくろ)」という言葉が生まれて、「ハハクロ」から「ハワクロ」そして、「ハウクロ」「ホウクロ」といった具合に変化を遂げて室町時代の末期に「ホクロ」になったと伝えらられています。ほくろの種類やほくろに関連するものには、目の近くにあるほくろのことを指した「泣きぼくろ」があります。 雀卵斑(そばかす)は、あるところにメラニンを産むものが亢進したメラノサイトがあるものですが、そのメラノサイトの密度は周りの部分とほとんど差がありません。
紫外線にさらされると目立ちやすくなります。「 悪性黒色腫」とはメラノサイトが悪性の腫瘍化したものなのです。初めの頃は良性のほくろと識別しにいのです。「皮疹」や「脂漏性角化症」などの形態はほくろと似ているところもありますでしょう。上皮細胞が増える「増殖性疾患」や「 基底細胞癌」の形態もほくろに似ているものがありますが、これは上皮細胞の悪性の腫瘍なのです。